アルミ製仮設支柱「アルパ」は、10年前に始まりました。開発当初から現場での使い勝手とコストパフォーマンスを最大限に追求し、多くの職人たちから愛される製品へと成長を遂げました。素材選定から構造の細部に至るまで、試作と改良を何度も重ね、現場のリアルな声を反映させながら完成度を高めていったのです。今回は、その始まりから現在に至るまでの開発ストーリーを、当時のエピソードを交えながらご紹介します。
ある日、アルミの鋼管を眺めながら、
ふとつぶやいた。
「これで支柱を作ったら、職人さんの腰も
喜ぶかもしれない」
その一言が、
10年にわたる開発の出発点だった。
初期アルパの差し込み管の断面
2014年。
アルミ製の仮設支柱なら、
軽くて施工性も向上する。
そう考え、試作を開始。
断面形状を変えながら試行錯誤を重ね、
日本建築総合試験所で
80kNの荷重試験に挑む。
しかし結果は30kNで座屈破壊。
数字以上に、気持ちが折れかけた。
それでも諦めず、
自社倉庫に試験架台を設置。
何度でも挑戦できる環境を整え、
開発を続けた。
自社倉庫の試験様子
座屈対策には断面二次半径の確保が不可欠。
四角、円形と検討を重ねるも、
アルミは溶接に不向きで
ネジ管固定が難しい。
そこで辿り着いたのが「八角断面」だった。
ネジ切りに必要な厚肉部を
外周側に配置することで、
溶接を使わずに固定し、座屈耐力も確保。
腰管とネジ管を一体化する構造が
見えてきた。
だが本当の難しさは、
肉付けのバランスだった。
強度を優先すれば重くなり、
軽さを追えば座屈する。
わずかな肉厚差が結果を左右する。
下管の断面
型を起こして押し出し、試験し、
目標に届かなければ廃棄。
この工程を自社倉庫で何十回も繰り返した。
さらに台座・ピン・スライド盤まで見直し、
必要な箇所だけを強化する構造へ最適化。
「もっと軽く、もっと強く」
その想いを貫いた。
2024年。
日本建築総合試験所での再試験で、
目標値をクリア。
完成したアルパの差し込み管の断面
10年の試行錯誤が導いた答え。
それが、八角断面とその肉付けバランスだ。
そして、
この断面を持つアルミ製仮設支柱が
「アルパ」である。
見た目はシンプル。
だがその一本には、
現場を思い続けた時間が詰まっている。
今日もこの断面が、
現場を静かに支えている。
初期アルパの差し込み管の断面
自社倉庫の試験様子
下管の断面
完成したアルパの差し込み管の断面
最初はアルミ製台座でチャレンジスタート
どうにも固定がうまくいかない..
「じゃあダイカストでいこう!」と
試作するも、強度が足りず、
重さに耐えきれない..
アルミにクサビを入れたり、
パテを詰めたりと試行錯誤。
「鉄にするか…?」
でも、軽量化が目標。
そんな中、ひらめいたのが「FRP」
割れないかな、と不安を抱えつつも、
荷重は主管が受け持つから台座は
支えれば十分。
こうしてFRP製台座が誕生。
ところが、ボルトを締めると
主管に当たって歪みが出てしまう..
「穴の位置をちょっとずらせば
いいじゃないか!」
この一工夫で、ボルト干渉もなくなり、
しっかり固定。
さらに、台座には
「弊社オリジナル“ジスタ”」装着可能。
これにより、台座は自立が
可能になりました。
弊社オリジナル“ジスタ”
弊社オリジナル“ジスタ”
アルミは柔らかいので、素材は鉄製に決定。
「高さのあるピンを使えば、穴を小さくできるし、差し込み管の強度も落とさない。」
と喜んだものの、問題発生。
均等に配置した八角の穴にコの字ピンを
差し込んだら、ピンがめり込むという悲劇。
そこで
内側を少し肉厚にすれば受けられるのでは、
これで解決と思ったら、重い..
軽量化が目標。
再考して、
内菅すれすれにピンを差し込む案を、
肉厚は最小限で軽量化もクリア。
こうして“コの字ピン”は、
強さと軽さを両立させる奇跡の設計で
誕生しました。
軽量化目標のためアルミ製で試作。
調節式にするには
ハンドルを回して高さを変える仕組み。
ネジのピッチを細かくすると、
何度も回さなければならない。
それはちょっと面倒なので、
ピッチを粗くし、倉庫試験では快調。
ところが、現場から
「ハンドルが回りません。」まさかの一報。
なぜ?
「スライド盤はアルミ、コの字ピンは鉄。
食い込んで動かなくなっているのかも?」
鉄のワッシャーを追加して対策したけれど、
結果は同じ。
再検証でわかったのは、
ネジのピッチが粗いほど、一度の回転で
大きく動き、人力を上回る力をかけないと
回転しない構造に。
そこでパイプサポートと同じ
細かいピッチに変更し、
試験で見事クリアしました。
ワッシャーのサイズも見直して
摩擦を最適化。
今度はハンドルが折れた..
「どんな力してるの!?」
現場の声で鉄の丸棒タイプに変更。
しかし今度はスライド盤が割れるという
新たな試練に。
最終的に、
ハンドルとスライド盤の接続部を
曲線に改良し、力が分散するよう再設計。
ようやく現場からも
「これなら大丈夫」の声をいただきました。
失敗のたびに一歩ずつ進化したスライド盤。
いまでは現場で信頼されるパーツに
成長しています。
完成した“アルパ”がこちら!
完成した“アルパ”がこちら!
特許第6467393号
特許第7339685号
日本建築総合試験所にて許容荷重試験を実施。実使用環境での高い耐久性と安全性を確認済み。
日本建築総合試験所にて許容荷重試験を実施。実使用環境での高い耐久性と安全性を確認済み。
1月14日〜15日(アルパ75試験場)
4月13日(アルパ75倉庫試験)
5月5日・25日(アルパ75倉庫試験)
6月6日(アルパ75倉庫試験)
11月4日(アルパ75試験場)
2月16日(アルパ75倉庫試験)
5月10日・26日(アルパ75倉庫試験)
7月27日(アルパ75倉庫試験)
8月22日(アルパ75倉庫試験)
10月8日(アルパ75倉庫試験)
1月7日(アルパ75倉庫試験)
3月30日(アルパ75倉庫試験)
4月19日(アルパ75倉庫試験)
5月30日(アルパ75試験場)
9月5日(アルパ75倉庫試験)
10月27日(アルパ75倉庫試験)
7月21日〜23日(アルパ75倉庫試験)
8月11日(アルパ75倉庫試験)
9月5日(アルパ75倉庫試験)
9月17日(アルパ45倉庫試験)
9月29日(アルパ75倉庫試験)
10月12日(アルパ45倉庫試験)
3月29日(アルパ75・45倉庫試験)
4月9日(アルパ45倉庫試験)
7月17日・21日・24日(アルパ75倉庫試験)
8月25日〜26日(アルパ75倉庫試験)
8月31日(アルパ45倉庫試験)
10月5日(アルパ75倉庫試験)
2月24日(アルパ45倉庫試験)
3月29日(アルパ45倉庫試験)
5月19日(アルパ75倉庫試験)
6月20日・28日(アルパ75倉庫試験)
11月10日(アルパ45倉庫試験)
5月10日(アルパ45倉庫試験)
6月15日(アルパ45倉庫試験)
8月8日(アルパ45倉庫試験)
9月12日〜14日(アルパ45試験場)
11月10日(アルパ45倉庫試験)
12月20日(アルパ75倉庫試験)
1月27日(アルパ45倉庫試験)
3月15日(アルパ45倉庫試験)
4月9日〜11日(アルパ75試験場)
6月4日〜7日(アルパ75・45試験場)
アルパ75・アルパ45完成試験場
6月27日(アルパ45:50型/60型倉庫試験)
| 製品名称 | 長さ(mm) | 許容荷重(KN) | 重量 (kg) |
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|---|---|---|---|---|---|
| 最小 | 最大 | 上下:バタ材 | 上:バタ材 下:コンクリート |
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| アルパ 45(70型) | 2,300 | 3,490 | 14.0 | 19.0 | 8.9 |
| アルパ 45(60型) | 1,855 | 3,090 | 14.0 | 19.0 | 7.7 |
| アルパ 45(50型) | 1,680 | 2,780 | 14.0 | 19.0 | 7.1 |
| アルパ 75(70型) | 2,300 | 3,490 | 24.0 | 36.0 | 11.1 |
※支柱の長さはご要望の長さで製作できます。
(60・50・40・30:型)